あの音楽が癖になる。デヴィッド・リンチ監督の名作映画「ブルーベルベット」

「カルトの帝王」とも呼ばれるデヴィッド・リンチ監督。名作はたくさんあるけれど、代表作の一つとして『ブルーベルベット』を挙げる人は多いんじゃないかな。

僕にとっても、学生の頃からのお馴染みの作品で、時々無性に観たくなる。というか、時々何となく部屋のTVに流していたりする映画。

photo : Oscar Rohena

デヴィッド・リンチ映画「ブルーベルベット」のあらすじ

ノース・キャロライナ州ランバートン。製材が主産業ののどかな町。よく晴れた日、大学生のジェフリーは、庭仕事をしていて突然異常な発作に襲われた父を見舞った病院からの帰り道、野原で異様な物を見つけた。手に取ってみると、それは何と切り落とされた人間の片耳だった……。(Yahoo!映画

冒頭からデヴィッド・リンチワールドが全開なのがこの作品。

郊外の一戸建てと庭、青い空、白いフェンスといった1950年代アメリカの原風景。それに対し、芝生に水をやる老人が突然倒れ、草の中のアップに。虫たちがうごめいているグロテスクな描写に移る。

一見平和に見える世界の背後には、邪悪なもの、グロテスクなものが隠されている。これは「ブルーベルベット」で描かれるテーマであり、同監督作品のカルト的人気ドラマシリーズ「ツイン・ピークス」でも同じ。

また、心をくすぐられるこの曲。劇中で何度も挿入される、ボビー・ヴィントンの「Blue Velvet(ブルーベルベット)」。

とりわけ話のキーマンとなる女性、イザベラ・ロッセリーニがステージで歌うシーンは、定番の赤カーテンも相まって、いかにもリンチらしい名シーン。

She wore blue velvet
Bluer than velvet was the night
Softer than satin was the light
From the stars

彼女は青いベルベットを身に付けていた
夜はベルベットよりも青く
星からの光はサテンよりもやわらかく

She wore blue velvet
Bluer than velvet were her eyes
Warmer than May her tender sighs
Love was ours

彼女は青いベルベットを身に付けていた
彼女の眼はベルベットよりも青く
彼女のやさしいため息は五月よりも暖かく
愛はぼくらのもの

切断された耳を偶然に見つけたことをきっかけに、主人公が興味の赴くままに危険で刺激的な世界に足を踏み入れていくというのが話の大筋。

退屈な日常から非日常に逸脱していき、後戻りができなくなる、事件に巻き込まれるというようなストーリー展開。そこに、不法侵入や覗き見、性的虐待というようなスリリングでインパクトのあるシーンが加わってくる。

公開当時は本国アメリカでもセンセーショナルな作品であったとのこと。

確かに、ドロシー・ヴァレンズ役のイザベラ・ロッセリーニが演じたシーンは、ボロボロの状態で裸で外に出るカットや、完全に精神的に崩壊した姿が描かれるなど、万人受けするものではないかもしれない。

何はともあれ、迫力満載でいくつか頭のネジが外れた、デヴィッド・リンチ独特の世界感は魅力十分。

興味がある人はぜひ観てみてほしい。

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